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2004年7月20日

なんだかねぇ

今日の午後、仕事の合間にたまたまワイドショー番組の水害の特集をみていたのです。福井県の足羽川の被災地で、なんたらまちづくりコンサルタントなんとかの所長とか称した人物がいろいろとコメントを述べていたのですが、いやはやこれがお粗末きわまりない。以下記憶に頼ってではありますが、そのトンデモ語録を。

湾曲した部分の外側が危ないんです

いや、これは一般論としては正しいのですが、今次の新潟の五十嵐川の事例では、湾曲部の内側が破堤して問題になっていることを、はたしてこの方はご存知なのでしょうか。このことを念頭に置くならば、記録的な降雨による増水の場合にはどこにでも危険はある、とコメントするのが専門家としての良心というものではないでしょうか。

いやまぁしかし、これはまだ一般論としては間違っていないからマシなのですが、目が点になったのは次のようなコメント。

(のり面の下部がコンクリート護岸、上部が芝となっている堤防を示して)下のコンクリートの部分はいいのですが、上の土を盛った部分は自然堤防といって、弱いのです。

ハァ? そんな自然堤防の定義初めて聞きましたが。この時点で「ああ、この人は何も知らないんだ」ということがバレてしまいました。別に河川工学の専門家でなくとも、自然堤防とは何かなんて、高等学校の地理で習うと思うのですが…

しかも、どうもこの方は、下はコンクリートの構造物で、上は別に盛り土をしたものだと思っておられるような。是非いちど堤防工事の現場でも見学してから出直してくることをお勧めします。

こうなってくるともはや、何を言ってもおかしなことばかり。

(同じような雨が東京で降ったらどうなるか、との問いに)多摩川・荒川などの一級河川は100年に一度の水害でも耐えられるようになっていますが、それ以外の川もありますし

一級河川や二級河川というのは、河川法上の区分で、基本的には国が管轄するか都道府県が管轄するかの違いです。もちろん「国土保全上又は国民経済上特に重要」(河川法第4条)な河川が一級河川に指定されるわけですから、治水工事が集中する傾向はあるにしても、一級河川だから堤防が堅牢だなどという理屈はなりたちません。まして一級河川は安心などという間違ったイメージを植え付けられては、百害あって一利無しです。

だいたい河川の一級・二級の区分は支川を含めた水系毎になされる訳ですから、今回新潟県で堤防が決壊した刈谷田川も五十嵐川も、一級河川信濃川下流の水系に含まれます。この方は足下の足羽川が一級河川九頭竜川水系に含まれることをご存知なのでしょうか

まぁワイドショーなんてこんなレベルといえばそれまでですが、新潟県・福井県で死者まで出ているこの災害の特集で、こんなわけもわからないことを「専門家」ヅラしてしたり顔でしゃべるこの人物、いったい何を考えているのでしょう。語るに足る専門知識を持っていないことなど、自分自身がいちばんよくわかっていると思うのですが。いや、わからないのかも。としたら重傷ですね。なんたら所長という肩書きまでさらして、恥ずかしいことこの上ない。

治水・治山は国家百年の計と言われます。日々少なくない努力が重ねられているのです。それでも災害は起こる。起こってしまった。さぞ無念な思いをしている「本当の専門家」は多いはず。そう思ったら、この厚顔無恥の人物に対して、無性に腹が立ってきた今日の午後でありました。

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